フォトコンテスト
豊かなウォーターフロントフォトコンテスト2021受賞作品
- 国土交通大臣賞
「夕日の大阪港」脇森茂隆さん
撮影場所は大阪北港。世界最大級の水族館「海遊館」の近くにある中央突堤です。釣り場としても有名ですが、本作品は夕日の名所としても知られた景観の魅力を余すところなくとらえています。広大な港内を見渡せるデッキに集う人々、停泊する客船、作業船のシルエットが夕日に映えます。そして何より、対岸のガントリークレーンがキリンの群れのようで、無機質な港の光景に愛嬌を加えています。静かに終わる港の一日が凝縮された画面になりました。
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- 国土交通省港湾局長賞
「サン・ファン号未来への出航」上野嵩太さん
被写体はサン・ファン・バウティスタ号(復元船)。江戸時代初期に慶長遣欧使節を乗せてイスパニアやロ ーマに航海したガレオン船です。「今年解体されるので、東北の復興を見守ってきた姿を石巻の海と天の川で飾りたい……」という作者の意図は十分に達成されています。デジタルカメラになって星空が写しやすくなったとはいえ、地上の描写とのバランスが見事で、違和感がありません。
天の川に向かって出航するかのような姿は、俯瞰撮影の妙といえます。
- (公社)日本港湾協会会長賞
「晴れの日」山本健太郎さん
しまなみ海道四国側の基点・今治市波止浜(はしはま)にある、内航船を年間10隻以上新造する矢野造船の進水式です。大型船のドック進水ではなく、造船台で組み立てられ船体が進水台を滑り降りる船台進水式の一コマ。風船が舞い上がり、テープを引きずりながら船尾から無事進水、式が最高潮に達した瞬間がタイミングよく記録されました。船体の無事完成を祝う、まさしく「晴れの日」の雰囲気が、高所からの撮影によって見事に表現されています。
- 港湾海岸防災協議会会長賞
「咆哮」出口慎也さん
留萌港は、上川・空知地方の流通拠点港。また留萌港は、薙工事や改修の歴史から土木学会推奨土木遺産に選ばれています。難工事の原因は冬の日本海の激しい波浪、その雰囲気を画面一杯にとらえているのが一番の魅力でしょう。波が消波ブロックによって白く砕ける様は圧巻で、海鳥や灯台の脇役も効いています。また、悪天候時にホワイトバランスを日中光モードで写したためか、全体に青みがかった描写が緊張感を高めています。
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